『シン・ウルトラマン』

 パゴス、ネロンガガボラ、どれもボディは共通で、頭を挿げ替えただけのように見える。

という話が出てきた時に異星人の兵器としてのカイジュウという展開(『トップをねらえ!』みたいな)になるのではないかと期待したのですが、すべてはメフィラスの思惑通りだったようです。実際は、CGモデルの制作が大変になるため、三体それぞれ制作するのではなく、順番にモデルを改造していって撮影したらしい。そのことを言っていたのか。特撮の着ぐるみでも、角やトサカを付けたり、再度塗装したりして、別の怪獣や怪人が生まれたりしている。

直接的な被害や死体などはほとんど出てこない。ザラブ戦でウルトラマンが飛び回るビル群は明かりがあるものの、街には誰もいないようだし、樹海に眠る神永新二はホログラムだった。爆散シーンはあるけど。

空にうっすらと浮かび上がったゼットンをみんなが見上げるシーンがあるが、それはビルの外壁のスクリーンをみんなが同時に見上げている、こんなことが起きているんだ、くらいの肌感覚でしかなくて(ネット上でのパニックはメフィラスが消してくれたんだろう)、やっぱりこれがこの映画のリアリティの強度なんでは無いだろうかと思った。というか、長澤まさみの異様に長い登場シーケンスでの、禍威獣に対する小学生たちの反応からして、すでに宣言をしていたのかもしれないけど。でも、平成ガメラでもそんなシーンあったからなぁ、うーん。地上から見た姿の演出があったにもかかわらず、宇宙空間でのゼットンのスケール感がかなり厳しいものになっていたのは少し残念だった。変形(というより変態か)のシーンは迫力があるんだけど、近くに寄った時のディテールがないからかもしれない。

blender内を走る地下鉄(アニメーション)

 二週間ほど前からバラが一斉に咲き始めた。地下を抜けて、高架の上を走る電車の窓から見下ろすと、フェンスに這わせたつる状の淡いピンクのバラや、オレンジ色の大輪のものまで(バラは種類が多すぎてよく分からないが)広めの庭にそれぞれ咲いている。ライラックも見つけると、グリーンゲイブルズの情景が浮かんできたり。本を読んでいるより楽しいときもある。電車賃には、外の景色を眺める料金もおそらく発生しているのだろうし。

 

地下鉄のアニメーションを作る。

地上より地下の方が、情報量が少なくて疾走感を出しやすいし、紙でできたようなモデルでもそれっぽく見える。動画では、ライトが暴れて、ホラー映画の予告みたいになってしまっているが、グラフエディターを使った車体の振動は取り敢えずのところ成功している感じ。吊り広告らしきものはクロスシュミレーション。


www.youtube.com

車体自体は進行方向に移動させずに、外の電燈の列をマッピングのLocationの値に#frame/(値)を打ち込むことで流して、走行しているように見せている。海外の動画を眺めていたら、何気なく使われていた。この機能の汎用性はかなり高い。速度もある程度は調節できるし、他のモディファイアーと組み合わせることもできる。シェーダーエディターの底は見えない。

バットシグナルの男

 『THE BATMAN-ザ・バットマン-』と『ナイトメア・アリー』を観てきた。どちらもジトジト雨が降り、逃げ場のないような地下鉄やサーカステントの薄暗い場所から始まる。バットマンのときは外でも雨がかなりの量降っていた。近頃、映画館に行くときに限って、大雨に遭遇することが多い。去年の007の時も立体駐車場が海上都市になっていた。

バットモービルは鉄板を張り合わせたような、曲面が目立たない車体に奇怪な形をしたむき出しのエンジンと小さな横目のライトが付いても、あまり違和感なくまとまっているデザイン。ティム・バートン版のモービルをすごくおとなしくした感じ。登場シーンは暗くてシルエットぐらいしかよく分からなかったけど、カーチェイスの結果、マセラティをひっくり返したり大活躍します。その後の炎上する車に閉じ込められたペンギンの視点から逆さまに近づいてくるバットマンは『ドラゴン・タトゥーの女フィンチャー版)』のリスベットのようだった。でもやっぱりレンジローバーの方がひっくり返ったとしても、まだ威厳を保てるというか、車としてそこにある、という感じが失われないような気がします。

今回のブルース・ウェインは目にコンタクト型の視覚デバイスを装着していたりするのにも関わらず、ディスプレイの画像を拡大する操作のためだけに物理ボタンがあったりする(ゴードンマレーなどの超高級車のやっぱり操作するならタッチパネルじゃなくてボタンがいいよねみたいな感覚だろうか)コンピュータを淡々と使いこなしている。バイクと車はあからさまな内燃機関だったり。それらはこれまでのバットマンのように自らが企画して設計したものというより、親から買い与えられたものや技術のように見える。もちろんどれも相当に高額なものなんだけど、このブルースは自らバットラングを金属研磨機でぴかぴかに磨いているようには思えない。そのコウモリの形をしたバットラングもかなりの大きさで胸のアーマーにはめ込んである。手裏剣というよりブーメランみたいだ。劇中でもそのように使っていた。投げると自分に返ってくる。それは自身の恐怖のシンボルというより、肥大化した悪への「復讐」の感情のようだ。映画の最初から降り続いていた雨が、一気に洪水としてゴッサムに溢れかえる場面で市民を救出するために、ビルから飛び降りて、自身のワイヤーで宙吊りになり、扱いずらそうなバットラングでわざわざ切断して着水するのはその「復讐」から決別して、本来の両親を奪われた恐怖(と立ち向かうための恐怖)のシンボルとして復活させるようで、その後の水溜まりに足を取られながらも進む姿もかっこよかったのだけれど、そのためにリドラーは、もう少しなんとかできたんじゃないかという残念な悪役になってしまったような。

滑空を躊躇して着地に失敗したり、いつものように変態コスプレ野郎扱いされるようなまだまだ未熟なバットマンなので、これからも市民に救済の手を差し出すようなバットマンだという保証はないかも。次回作があるとしたら、どのように変化しているのか…。落ち込んでないといいけど。

f:id:coel-karukaya:20220401163539j:plain


明治のチョコレート(26ピース入りの箱の)の包み紙でも意外に折ることができる。胴体はかなりコウモリの感じが出ているような。

 

 

 

ギレルモ・デル・トロ監督の作品を映画館で観たことはこれまでなかったので行った『ナイトメア・アリー』。主人公が最初に逃げ込むように乗ったバスがサーカスには止まらずに実はそのままずっと進み続けているのではないかという感覚が、晴れた日の陽気なサーカスのシーンを見ても続く映画だった。しかし、サーカスの檻の中の獣人や読心術のメカニズムが登場人物の言葉によって明かされて行くにつれて、この映画が最初に持っていたファンタジーというか、空想の及ぶ範囲の幅みたいなものがどんどん狭まっていく過程も同時に進行するので退屈しない。モリールーニー・マーラ)が電流ショーをすることができるのは自身の特殊な体質でも何か仕掛けがあるからでもなく、ただひたすらに痛みに耐え続けていたからだと静かに告白するところで、その空想の及ぶ振れ幅はついにゼロになって、これから起こることは全て現実だということを突きつけられる。

 

 

 

 

ファレノプシス

 折り紙をふたたび折るようになり、近頃は完成形をどこまで折りたいものへ近づけることができるかということを目標に制作している。ラジオなんか聴きながら、片手間ですが。攻殻2ndのクゼは片手で鶴を折っていたけど、紙をどのようにしてテーブルに押さえつけるかまで考えなくてはならないので、かなり集中力が必要な作業だ。

f:id:coel-karukaya:20220323233613j:plain

コチョウランの折り紙。形はかなり寄せることができたけど、折り目が少し目立つ仕上がり。ランは植物の進化の最前線にいると言われていて、花は基本的には左右と中央の3枚の花弁と3つのがく片(表の発色は花弁と遜色ないのだけど、裏は少し緑がかっています。虫に気づいてもらうための戦略だろうか)というシンプルな構造。にも関わらず、種類によって咲かせる花の形状はかなり異なる、ように見える。花粉が粉状ではなく、塊になっていて、虫に効率よく運んでもらうことができたり。風による偶然に頼らず、虫に花粉を運ばせる。多くの植物が密生する熱帯には、虫を集めるために派手な花が多く、ランの仲間もそこで進化してきたかも。日本にもクモランという進化の最終形態のようなランがいる。なんと葉っぱを持たないのだ。

 

部屋で咲いているコチョウランは、よく見かけるご祝議用の真っ白で花が大きいものではなくて、ひとまわり小さいサイズの花に淡いピンク寄りの紫が入った株。花弁に色がついていても、角度を変えて見ると、ちゃんときらきらと光る。ダンボールに入れて、保温と風通しをよくしているけど、また寒くなってきたので大丈夫かな。

blenderで浮世絵風

 グリースペンシルの略称ってグリペンでいいのかな。

f:id:coel-karukaya:20220307152907j:plain

 ノイズとマスグレイブテクスチャを組み合わせたら金継ぎのような模様ができたので、グラデーションテクスチャで透過部分と分け、海や遠景の山々に適応。アルファクリップにすると模様と透過部分との境界(海の地平線。かなりうねっていますが)をはっきりと分けることができる。アルファブレンドでは山に霞がかかったように調節が可能。富士山のような山をノードだけの一枚の板でなんとかして作ったのだけど、無理せず平面を2つ重ねて作ったらもう少し目立つようになったかもしれない。

鳥たちと縄と配達人、左の都市のような構造物はグリースペンシル。意外と機能は豊富だけど、それゆえまだ特性を掴めていないような。

スケールの大きいものは裏からサーフェイスを貼ればそれっぽくなるけど、今回の構造物は平面とストロークの反射率が異なるので緑が浮いた感じに。うまく使えば超古代文明遺跡の石柱に浮かび上がる発光文字列みたいなこともできそう。

 

f:id:coel-karukaya:20220307160148j:plain

(世界が完全に鳥たちに支配されてから75日。大陸で最初に「都市巣」と化した沿岸ビル群に、いまでは人類にとって必要不可欠の主食となった「つばめの巣」を採りに向かう。)

折りたたみボトル

 左の2つは順らせん折りの筒。らせんの向きが一方で、ねじれながら折りたたまれる。右は反らせん折りの筒。一番左の構造をらせんの巻き方向を交互に変えて4つ重ねたもの。たたむときの変形が少なくて、ボトルらしい見た目をしている。

f:id:coel-karukaya:20220225181635g:plain

ただ、折り目が複雑。紙でモデルを作ろうとしても折り目どうしが干渉して、たたむことが難しい。大きな紙で作るか、2つ重ねた筒をいくつか作ってテープなどでつなげていった方が早い。

 『地球外少年少女』の折りたたみボトルには、おそらくこの反らせん折りの構造のワイヤーフレームが入っている。フレームと筒状の布パーツを分けて出力すれば、ステーション内の3Dプリンターでも簡単に出来そうだ。擬似ファブリックプリンターはもうあるんですか。

 

www.itmedia.co.jp